2015年09月13日

関空・伊丹運営権の今までとこれから(補足編、ヴァンシエアポートについて)

「オリックスは野球と生命保険やろ?じゃあ、ヴァンシエアポート(バンシエアポート)ってなんやねーん!」と思われる方も多いかもしれません。

「とりあえずフランスの空港会社なんですよね?」という所までは分かっている人もいるかもしれませんが、どこの空港を運営しているのかサッパリ掴めない人も多いかと思われます。

そこでオリックスと組んで運営権入札に参加した「ヴァンシ・エアポート」について紹介したいと思います(≧∇≦)
まずヴァンシ・エアポートはフランスの世界的建設会社である「ヴァンシ(VINCI)」社の子会社。
ヴァンシ社は全世界100カ国に進出し約18万人もの社員を誇る世界的大企業なのです(日本ではあまり知られていませんが・・・・・)

1995年、ヴァンシ社はカンボジア国内2空港(プノンペン・シェムリアップ)の運営権を獲得しました。


カンボジアといえば世界的に有名なアンコールワットなど観光資源に恵まれた国ですが、1995年当時のカンボジアは観光客は僅かに年間5500人、2013年には約450万人を超えたわけですから大きな差があります。

cambodia.png
カンボジアの地図

無理もありません。1995年当時のカンボジアは内戦が終わり、1993年にようやく「まともな」政府が出来たばかり。しかもその前年にはクーデター未遂も起きていたわけですから安定しきっていなかったのです。

そんな中でもヴァンシ社はカンボジアの将来を見込んで空港運営に加わることにしたのでした(それと比べれば関空・伊丹の運営権はイージーコースなんじゃ・・・・・)
その後2011年にカンボジアのビーチリゾートとして注目されつつあるシアヌークビルの空港運営権も獲得し、3空港体制となりました。

フランス国内に目を移せば、2003年以降に地方空港の運営権を順次獲得し、2011年には年間400万人が利用するナントの空港運営権を獲得しました。
更にポルトガルの(リスボンを含む)空港運営権を2013年に50年間の条件で獲得。一気に規模を拡大させたのです(ポルトガルも財政危機で大変だそうで・・・・・)

今年に入って銅とワインで有名なチリの首都「サンティアゴ」の空港運営権をフランスとイタリアの企業と合同で獲得。更に規模を拡大しつつあります。

そして、大手金融会社であるオリックスと組んで関西国際空港・大阪国際空港の運営権を獲得予定。

以上、補足編として「ヴァンシ・エアポート」社について宣伝にならないように気を付けながら、説明させて頂きましたm(_ _)m
posted by 大阪のしろきち at 21:09| 大阪 ☁| Comment(0) | 航空 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

関空・伊丹運営権の今までとこれから(後編)

さて前編では「一次入札」まで書きましたが、続いてはオリックス・ヴァンシ連合に加わる企業と今後の事について書いていきたいと思います。

7月、一次入札から1ヶ月が経った頃、オリックスは9月に行われる二次入札に向けて出資してくれる企業を募る事にしました。

「オール関西」演出狙う関空・伊丹運営権売却、出資に応じる企業は?』(産経West・2015年7月24日)
対象となったのは阪急阪神ホールディングスや近鉄グループホールディングスなどの鉄道会社、関西電力・大阪ガス・NTT西日本などのインフラ系企業、全国的に知名度の高いパナソニックやダイキン等・・・・・
いずれにしても「大企業」を中心に十数社に打診しました。

阪急阪神ホールディングスや近鉄グループホールディングスは早い内から出資に乗り気でしたが、南海電鉄は期間の長さから慎重に考えていました(参加する気では居たんでしょうが)

9月に入るとまず最初に出資する10社が名乗り出ました。
関空運営権売却、オリックス連合の顔ぶれ固まる 10社参画「オール関西」』(産経West・2015年9月5日)
鉄道系からは阪急阪神ホールディングス・近鉄グループホールディングス・南海電気鉄道、インフラ系からは関西電力・大阪ガス・NTT西日本、製造系からはパナソニック・ダイキン工業、建設系からは大林組と竹中工務店。この時点では10社が参加する意向で、京阪電鉄やりそな銀行・池田泉州銀行も検討している段階でした。

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関西国際空港第1ターミナルの4階つづく
posted by 大阪のしろきち at 20:18| 大阪 ☁| Comment(0) | 航空 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

関空・伊丹運営権の今までとこれから(前編)

改めてこんばんは!
9月も中盤に入り、夏がどんどん遠ざかっているような感じがします^^;
茨城県・栃木県・宮城県では大雨による被害がありましたが、皆さんは大丈夫でしたか?
一日も早い復旧を祈りつつ、今日は「関空・伊丹運営権」について書きたいと思います。

関空・伊丹の運営権については昨年9月に記事を投稿して以来、あまり書いてこなかったんですが既に6月の段階で日本の大手金融会社である「オリックス」とフランスの空港運営会社「ヴァンシ・エアポート」のコンソシアムが一次入札に唯一通過しました。
「関西国際空港及び大阪国際空港特定空港運営事業等」に係る第一次審査結果等について』(新関西国際空港・2015年6月12日・PDFリンク)

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関西国際空港の第1ターミナル(展望ホールより撮影)

元々は三菱地所・三井不動産・住友商事・前田建設工業等が名乗りを上げていたのですが(去年の段階では三菱か三井・住友が落札すると予想してました^^;)、予想は大外れで三菱も三井も住友も参加を断念するという異例の事態になりました。

何故、そうなったのかと言うと「値段」と「期間」です。
値段は2兆2000億円、1年間にすると約500億円支払う計算となります。期間は44年間、しかも当初は自己理由での途中解約が出来ない規定となっていました(途中から出来るように変えたそうですが・・・・・)

しかも同時期にで仙台空港の運営権入札もありましたから、三菱地所としては仙台空港の方に注力しておきたかったのではないかと推察されますし、前田建設工業も仙台空港の運営権入札で東急グループと組んで無事に優先交渉権者を獲得しました。
仙台空港、民間委託で新路線誘致 東急に優先交渉権」(Aviation Wire・2015年9月12日)

そんなこんなんでオリックスとヴァンシ・エアポートによるコンソシアム(以下オリックス・ヴァンシ連合)が一次入札に唯一通過したという訳です(他の2者は国内パートナーが決まらずに脱落)

さて、一次入札でオリックス・ヴァンシ連合に決定したわけですが、今度はどのようにして資金調達をしていくのかを考えなければなりません。

そこで他の近畿圏を拠点とする企業にも出資してもらうことになったのです。
あえて近畿圏の企業に絞ったのは「近畿圏の活性化」という風に持ち込めば、航空とは直接縁のない企業にも出資してもらいやすくなるという狙いがあったのは確かですが、ここ最近では「インバウンド需要」で関空の利用客数が飛躍的に伸び、更なる近畿圏に活性化においては関空の立ち位置というのは非常に重要だったのです。(後編へつづく)おまけ
posted by 大阪のしろきち at 18:36| 大阪 ☁| Comment(0) | 航空 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする